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2012.05.07-05.13

元田敬三 Motoda Keizo

劇場

元田敬三 Motoda Keizo  [劇場]
元田敬三 Motoda Keizo  [劇場]
元田敬三 Motoda Keizo  [劇場]

11月25日金曜日 新宿西口大ガード下で黒人クォーターの青年と出会った。小滝橋通りを歩いて3カット撮影、あんまり構図安定せず。彼のお願いだったのでラーメンをおごる、¥800。「オレ、ホームレスじゃないよ」って言ってた。

歌舞伎町で路上に座るおじさんに秋の陽が降り注いでキレイ、「おっちゃん撮っていい?」と聞いて2カット撮影。ホット缶コーヒーをあげる。

東口で最近いつもいる足のない車いすのおじさんにしょうがないから今日も缶コーヒーをプレゼント、するとどうしてもタバコが吸いたいというので買ってあげる。リクエストは赤ラーク、そして菓子パンも。この日はグッチみたいなサングラスしていてユーモアがあって素敵だった。それ以来すれ違うと手を挙げて挨拶すようになった。

西口、天才の垂れ幕を首から掛けて英会話のチラシを配るおっちゃん、正直に「誰がチラシもらってくれるん?」と聞いたら「大丈夫オレは天才だから」と言った。英会話をこのおっさんが教えるらしい、そうかもね、天才かもね?ほいで写真を3枚撮影して、チップ250円渡すと、「隣の男にこの中の50円あげてくれ」って言うからあげた。隣の男は普通の40代の男だがいつも地べたに座ってお椀を前にしてお恵みを待っている男だ。

11月26日土曜日
夜、高田馬場で下車した途端、交番の前に500㎖のきりんラガービールを2本持って立ち飲みしているおっちゃんがいたので「2本もいっぺんい飲んでんの?」って聞いたらそうだという。顔濃いなーと思ったらアイヌの人だった。2カット撮影。

この日は新宿で酉の市やってたのでうろうろしてみた。
カッコいいお兄さんが群衆から飛び出して来たので追っかけて信号待ちで話しかけた。思いっきり睨み返されて「なぜオレを撮りたい?」と聞いてくる。苦手な質問。短く説明。納得したみたいで話しながら歩く。門前仲町育ちの江戸っ子。名刺渡すと「逗子、お洒落~」と冷やかされる。
大阪人とは真逆で合うと言っていた、確かに仲良くなれそう。3カット撮影。

大ガード下で太鼓の音するから言ってみると太鼓たたく長髪の青年。男前やん!3カット撮影してチップ入れて「ありがとう」って言ったら彼も「ありがとう」。

トンネルの中でギター弾く兄さんにこの前の撮影のお礼と写真を出来たら持ってくる約束。

「私の志集買ってください」の女性から志集を買う。一寸しゃべって笑かしたった。意外と明るいやん!詩はめちゃめちゃ暗いけど。写真は撮らせてくれないのだ。

西口でおっさんがエレキでブルース歌ってる、しゃべると歯が1本もない!歯抜けのブルース。生活保護のブルース。

2月4日 土曜日
新宿プレイスMで見たかった写真展を見て撮影開始、歩き始めて10秒、左側のビルの植え込みに座り込んでタバコを吸っている女性発見!躊躇してる暇もなく状景反射で話しかけていた。撮影交渉後すぐに「いいよ」の答え。
どこの人?何歳?結婚してるの?など珍しく逆に質問される。撮った写真が見たいと僕のカメラの裏を何度か覗き込むがデジカメではないことを何度か告げる。写真出来たらメールするからとメアドを交換した。僕は名刺を渡した。「私、来年メジャーデビューするからその時のライブに来てくれる?」と頼まれ、もちろん時間合えばいくと約束した。その間も早く写真が撮りたくてあまり彼女の話しは頭に入っていない。数枚撮り終えてフィルムを交換したらやっと一息ついた。よーく彼女の顔を見ると眉はピンクで化粧も濃いな、と思って見ていると、「私、今日化粧濃いよね?」と聞かれた、「うん、でも似合っているよ」。ありがとうを言って別れた。また会える気がする女性だった。

元田敬三 もとだ・けいぞう

写真家
1971年大阪生まれ。
桃山学院大学経済学部卒業後、ビジュアルアーツ専門学校大阪入学。
在学中、1996年写真[人間の街]プロジェクト
(ガーディアン・ガーデン主催)入選、第33回準太陽賞受賞。
1997年より東京ビジュアルアーツ専門学校にて非常勤講師。

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