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2019.8.26-9.1

宮島径写真展 feat. 麻里布栄 (words)

「裏山現像」

宮島径写真展 feat. 麻里布栄 (words)  [「裏山現像」]


人は皆、裏山を……

「悪の華」の作者は、すべての人間がキマイラという怪物を背負っているの
が見えるという。その怪物を養うために人間は生きているのだと。――わが
K氏には、人間が皆「裏山」を背負っているのが見えた。「裏山」は持ち主
と等身大の小さな山だが、よく見るとそこには無数の小さな人間がうごめい
ている。背負っている本人にとって「都合の悪い自分」の影たちだ。とても
いやらしい自分。とても暗い自分。とても嫉妬深い自分。とても凶暴な自
分。普段の自分を演じるため、人は彼らを裏山に放り込む。そこでは毎日の
ように事件が起き、山は血と粘液で汚れている。――もちろんそれは普通の
人間の目には見えない。実は裏山も、そこに投げ込まれた影も「雰囲気」に
すぎないから。だが、K氏はその「雰囲気」を見るだけでなく撮ることがで
きた。すごい。――ところで彼自身は裏山を背負ってはいない。自分などさ
らけ出してもかまわないと考える彼には影などない。しかし、代わりに彼は
別のものを背負っている。「世界」を。あまりの重さに息が切れ、汗が噴き
出し、膝がふるえる。誰に頼まれたわけではない。だが、「世界」を背負わ
なければ彼は彼でいることができないからだ。

麻里布栄

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同上

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