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2011.09.05-09.11

鈴木孝史 Suzuki Takashi

ヤドリノ色(しき)

 鈴木孝史写真展  Suzuki Takashi 「ヤドリノ色(しき)」
 鈴木孝史写真展  Suzuki Takashi 「ヤドリノ色(しき)」

存在しないものを存在しているかのように畏れること。
それは現代的思考を逸脱しているがしかし、極めて人間的な観念である。

「宿る」という言葉がある。事象の中にある別の存在の肯定。
何かがいるわけではない。
ただ、大事なことは「別の何かがいるのではないか」と疑える事にこそあるのだと思う。

鈴木孝史 すずき・たかし

1982年 東京生まれ
http://www.takashi-suzuki.com/

ミニギャラリー Mini Gallery

イナガキユタカ Inagaki Yutaka

Boy & Girl (good)

今回の一連の写真は、初対面の人に公園や道ばた、飲み会をやっているお店などで「あなたの写真を撮らせてほしい」と声を掛け、その場でカメラに収めたものが中心となっている。

被写体の方にはできる限りいい表情をしてもらえるよう俺も努力はするが、やはりどうしても表情は固くなる。なにせ俺だって「撮らせてくれ」と自分から声を掛けたはいいが初対面なんだし、つい10分前までは知らない人だったのであるから、被写体はもちろん俺の側にも緊張がある。

相手はプロの写真モデルでもなんでもないから、たいていの場合「どういう表情をすればいいですか?」という戸惑いを見せる。

しかし、そういう初対面の両者の間にある「希薄な関係性」や「些細な緊張感」が、むしろ画面内に写り込めば良いという考えで、それ含みで撮影を行った。

そういうことを続けていったのだが、その過程で出来上がった写真を見てみると、意外なことに、俺(カメラ)に対してスマイルを投げかけてくれる人がいる。向こうから俺に話しかけてきてくれてコミュニケーションをとってくれる人さえいる。

人を撮り、希薄な関係、そして緊張感をとらえようとする試みは、失敗に終わったのだろうか。

イナガキユタカ

愛知県生まれ、岐阜県育ち
現在東京在住

・個展、グループ展
2011年 「-N43℃-」(フリーランス・小樽市)

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