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2023.04.24 - 2023.04.30
佐々木 芳郎
立花隆を魅了した『インディオの聖像』たち


 ブラジル、パラグアイ、アルゼンチンの三国をまわり、計9ヵ所のイエズス会伝道村の遺跡をカメラマンの佐々木芳郎さんとともにまわってきた。(中略)実は向うについて間もなく、これはとても単発の雑誌記事ですむ仕事ではないということに気がついた。思いは佐々木さんも同じだった。旅の途中から、佐々木さんと私は、これは写真をたっぷり入れた本を作るほかないという結論に達していた。
立花隆著『思索紀行』より

 1986年の暮れから87年にかけて、ぼくは立花さんと南米のレドクシオン(伝道村)を訪ねた。立花さん46歳、ぼく27歳、今から36年前の話である。

 立花さんの原稿「インディオの聖像」は、さらに改稿を重ねたいと筆が止まった。そして2021年4月30日、立花さんは急逝した。

 ぼくが保存していた立花さん直筆の原稿と、南米で撮り溜めた写真をもとに1年をかけ、2022年5月に文藝春秋から「インディオの聖像」を世に送り出すことができた。
 コロンブスの新大陸発見以降の南米におけるスペイン人による大量虐殺、侵略の歴史。その中で果敢に原住民グアラニ族インディオをキリスト教化し、共にヨートピアのような共同体を作り上げたイエズス会士。ヨーロッパから持ち込んだ彫像をもとに、模刻し、独自の中南米バロック芸術を完成させたグアラニ族インディオ。

 立花隆を魅了したインディオの聖像の輝きが、再びこの写真展で甦る。

佐々木 芳郎「

佐々木 芳郎「